巨万の富を築いた、陳雅山は伝説か?
さて、陳雅山の遺稿を書き写す幸運に恵まれた林氏。
その相場師しての実績が本物であり、
中源線を使って得た利益も途方も無い巨額であること、
そして何よりも中源線建玉法そのものが、非常に優れた実践的ルールに基づいた、
規格化された投資法であることを、目の当たりにしていったそうです。
さて、この中源線、
そしてそれを生み出し巨万の富を生み出した男、
陳雅山についてすこし触れます。
陳雅山は、今から数百年前の中国清の時代に生きた相場師です。
しかし、彼が生きている間は、彼の存在も実績も明かされず、
全くもってその存在も知るものの少ない無名の人物でありました。
皮肉な事に、彼の名はその死後残された資産の額が、
あまりに途方も無く巨額であった事により知られるようになります。
彼の残した遺産はアヘン戦争の賠償金と同等の額だったと言われています。
アヘン戦争の賠償金は数百万両。
つまりこの金額は当時世界の大国だった清の国が、
その賠償金によって財政が破綻寸前まで傾いたといわれる規模の金額です。
現在の金額に直せば数百億、いえ数兆円と言っても大袈裟ではない額です。
一人の名も無き相場師が残した額としては並ぶものが無いかもしれません。
しかも、リバモアなどの様な稀代の相場師達が、
その最後には破産などの破滅的な結果を有するに相対して、
陳雅山は富を失ってしまうことなく生涯を終えています。
つまり、巨万の富を築きあげことに成功した相場師といえるのです。
その生涯、そして最期は、
中源線という規律の範疇でのみ、淡々と売買を行う者だけが
たどり着く桃源郷だったのかも知れません。
中源線は規律の投資法です。
(但し個人でのカスタマイズは可能)
それはまさに究極のシステム投資法であり、
規格化されたあるルールどおりに売買を行うだけで、
利益を積み上げる事の出来る投資法です。
そして非常に単調な売買法です。
売買のための実行指示は、
法示と言うカタチで示し出され、実践者は売買の転換点に則して、
ただ売買を行うだけの面白味のない自動売買ともいえる投資法です。
しかし相場をするにおいて、
顕在的にも潜在的にも、この面白味を追求する事が
実はほとんどの投資家が利益を上げる事が出来ず、
また一時的に大儲けできたとしても、永続的に持続できず、
最終的に大損・破産ににつながってしまう、
その要因ともいえる「味」なのです。